ユース・フォー・ヒューマンライツ インターナショナルの歴史
世界的運動の始まり
ユース・フォー・ヒューマンライツ インターナショナル(YHRI)は2001年に結成されました。その最初の活動は、「国連の友」の協力により、8歳から18歳の青少年を対象にヨーロッパ全域で開催された作文コンテストでした。ハンガリー、チェコ共和国、オーストリアの3人の若者が入選し、2001年10月11日、国連人権高等弁務官事務所の本拠地であるジュネーブで表彰されました。
若い人々が人権を学べるようにするというYHRIのメッセージが広がるにつれ、詳しい情報を求める声が世界中から寄せられました。こうした声に応えるために、2004年2月、YHRIの代表団は行程7万2千キロに及ぶ「世界教育ツアー」を開始しました。青少年の人権に対する理解を高め、YHRIの新たな支部を設置することがその目的でした。5週間のツアーの間、YHRIの代表団は都市部の人口密集地にも、辺境の過疎地にも旅しました。東京、タイのバンコク、ガーナのアクラ、ガイアナのジョージタウン、メキシコシティーなどです。
この間、YHRIの代表団は政府高官と会見し、地方の町や村を訪ね、父兄にも子供にも、「人権とは何でしょう?」の小冊子や、エイズに関するYHRIの教育リーフレットなどを配布しました。代表団は滞在する先々で、現地の子供たちに、人権について何を理解したかを述べる短い感想文を書いてもらいました。
「UNITED」ビデオの制作と発表
世界教育ツアーの間に、当時19歳のタロン・レクストン監督は、YHRIによる人権ミュージックビデオ「UNITED」の数多くの場面をフィルムに収めました。2000人のボランティアと150人の俳優が、13ヵ国で撮影されたこの制作プロジェクトに貢献しました。「UNITED」の制作チームは大半が10代の若者であり、人権をテーマとする主題歌では、十代の若きラッパー二人が輝かしい才能を発揮しています。まさに青少年による企画だったのです。「UNITED」は2004年8月にニューヨークの国連本部で初演され、ユネスコが共催するフローレンスのタリア・コルト映画祭における「ベスト人権フィルム賞」をはじめとするさまざまな賞を受賞しました。より重要なこととして、このビデオは15言語の字幕で視聴でき、そのメッセージは人種と民族の壁を超えてあらゆる人種・民族の青少年に届いています。教育関係者や地方自治体の関係者は、「UNITED」が青少年の人権意識を高める上で、他に類を見ないツールであると評価しています。