人権の擁護者たち
セザール・チャベス(1927年~1993年)
メキシコ系アメリカ人の農場労働者であるセザール・チャベスは、労働者の指導者、公民権活動家として、農業従事者によりよい労働環境をもたらしました。
アリゾナ州ユマ近郊にある一家の農場で生まれたチャベスは、農場労働者が強いられている厳しい状況を直接目にしてきました。農夫たちは農場主に搾取されるのがごく普通であり、しばしば無給で働かされ、労働の対価として掘っ立て小屋をあてがわれ、医療その他の基本的な設備もありませんでした。彼らには団結して主張するすべもなく、自分たちの地位を向上させるための手段がありませんでした。
それを変えたのがチャベスです。彼は農場労働者たちを啓発して全国農場労働者協会(後の統一農場労働者組織委員会)を組織し、農場労働者の権利を勝ち取ることにその生涯を捧げました。デモ行進、ストライキ、ボイコットといった活動を通じて、農場主たちに適切な賃金の支払いとその他の手当てや便宜の提供を要求しました。こうした活動により、農場労働者のための初の権利章典が制定されることになりました。
チャベスは、その社会正義への献身と、人々の暮らしを向上させるための生涯にわたる貢献に対し、その死後、市民に与えられる最高の名誉である「自由勲章」を贈られました。